こちらの記事もだいぶ古い情報になってきましたので、セッティングの進め方〜2021年改訂版〜を投稿しました。内容の一部修正を行い、項目もnewUIベースでまとめ直しました。こちらの記事を見つけられた方は、ぜひそちらをご参照ください。
かなり以前、rFactor1を遊んでいる頃の拙記事"セッティングの進め方 〜初心者の方へ〜"というものがあるのですが…ご存じの方がいらっしゃったら申し訳ない。
rF1の古いModならいざ知らず、現在メインで遊んでいるrFactor2では、挙動やFFBは勿論のこと、タイヤやシャシ構造などの違いも大きく、あの記事、今ではあまり役に立ちません(元々役に立ってないという噂もあります)。
というわけで、今回は「yashimaは現在こうしている」という視点で、セッティング手法の書き直しを行ってみようと思います。相変わらず「何故そうなる」という部分が足りない怪しい記事ですが、「レースシムは初心者で何をどうしたらいいやら…」という方に、少しでも役に立ってもらえればと思う次第です。
今回もできるだけ分かりやすく読んで頂くために、セッティング項目は黒太文字、マシンの挙動に関する記述は緑太文字、具体的なセッティング方法は青太文字、その他注意して頂きたい部分は赤太文字、で構成しています。それ以外の部分は蛇足だったりするので、お忙しい方は読み飛ばしながら見てください。

なお、今回はTanimaJTSeriesで使用しているURD_JT5Modを参考に進めていきます。タイヤはほぼ最新モデル、フレキシブルシャシも採用されており、とても出来の良いGTModです。ただし、残念ながら有料Modなので、シリーズ戦に参加される方以外には、あまり購入をお勧め出来ません。しかし、rF2純正のGT500GTRや下位クラスとして使用しているJT3は、タイヤや挙動などが近い関係にありますので、ほぼ同じように考えることが出来るかと思います。参考にしてみてください。
セッティングとは

私はセッティングとは「自分が走りやすいようにマシンを調整する作業」と考えています。これは、以前の記事の頃からまったく変わらない考え方です。もし仮に、貴方がデフォルトセッティングで特に困っていなければ、セッティングは全く行わなくても良いと思います。逆に言えば、少しでも走りにくいと感じるならば、どんどん変えていくべきです。
マルチでは、速い人がセッティングを公開してくれることがよくあります。ありがたい話です。でも、それを使えば自分も速くなるかと言えば、そうはならないこともしばしば。何故でしょう?
これには元々の腕の差とか、経験や素質差などという越えられない壁もあります。こればかりは、どんどん走行距離を増やして、自己の上達を目指すしかありません。しかし、実はそれ以外の要因として、個々人の環境の違い(ハンコンやその他デバイスなど)も挙げられます。個々人によって異なるコースの見え方や、コントローラのFFBの強さや出力のされ方によっては、同じセットでも同じように感じられず、思うように走ることが出来ないことがあるのです。
もちろん、速い人のセッティングはとても参考になるので、どんどん取り入れていくべきだと思いますが、もらったセットを鵜呑みではセッティング能力の上達は望めません。初心者の方は、先ずは自分が走りやすいと思えるセッティングを作れるようにがんばってみましょう。
ホームコース
セッティングはいつ、どこでで行えばいいんでしょう。本番直前のプラクティス?予選?残念ながら、初心者の方はどんなにがんばっても、本番前1時間程度ではセッティングを完了することは出来ないと思います。良くても、コースを覚えて燃費やタイヤ摩耗を計るのが精一杯でしょう。
それでは、いつ、どこでセッティングを行えばいいのか。それはレースの無い日のホームコースです。レースが行われるコースを事前に走りこんでおくのはもちろん必要不可欠なことなんですが、その前にホームコースでしっかりとしたセッティングの土台(基準セット)を作っておけば、あとはレースが開催されるたびに基準セットを微調整するだけで、いつでも慌てることなく参加できるようになるのです。とっても楽ちんですね。
もし、貴方がホームコースを決めていないというのであれば、今から考えてみましょう。ホームコースには自分が好きなコースを選べばいいのですが、できれば、適度な距離を持ち様々なコーナーが存在し、アップダウンもあるコースが望ましいと考えます。また、rF2はBuildアップが多いので、コースの出来次第ではセッティングに向かないコースが多いのもまた事実。出来るだけ純正、もしくは著名Modderさん制作の出来の良いコースを選ぶことをお勧めします。

yashimaは、rF2では鈴鹿(松阪orCamFix)や富士をホームコースとして走り込んでいます。松阪は紛うことなき純正サーキットですし、CamFixや富士はrF1の頃から慣れ親しんだお馴染みのサーキットで、更には両コースとも素晴らしいModderさんが修正、改良を施されている良作サーキットとなっています。いずれのコースも上記の条件に適っており、ホームコースにするにはうってつけだと思います。
勿論、ホームコース選びは個人の好みやメインで走るModにも依ると思います。yashimaはGTやツーリングカーを好むのでこの選択になるのですが、みなさんも自分の好みに合ったホームコースをみつけてみましょう。
燃料搭載量の計算

燃料搭載量は、レースを走りきれる燃料量を乗せます。
・1周あたりの燃費(Ltr/lap)xレース周回数+1〜2周分の燃料
燃費を測ってくれるPlugin(TrackMapやZ1Dashなど)を使用される方は、その数値で計算出来ます。Pluginを使用できない環境の方など、1周あたりの燃費がすぐに分からない場合は、満タンで5周ほど走ってみてください。5周後の燃料の減りを5等分すれば、1周あたりの燃料消費量が算出できます。最後の+1〜2周分は、コースアウト時などの復帰用だったり、時間制レースで計算より1周伸びてしまった時の予備です。この予備が、意外とレース結果に効くことがあります。侮ることなかれ。
ギア比

ギア比の調整はこのように行います。
・6速がすぐにレブにあたってしまう(加速が良すぎる)
➾FINALギアをロング(数値を下げる)にする
・6速がまったくレブに届かない(加速が悪すぎる)
➾FINALギアをショート(数値を上げる)にする
・1速で加速が強すぎる
➾1速をロングにして、加速を弱める
・1速で加速が弱すぎる
➾1速をショートにして、加速を強める
・一番長い直線の途中で6thギアがレブリミットに達する
⇒6速をロングにして1速から6速までのギアを等間隔に調整する
・一番長い直線の最後でレブリミットに余裕がある
⇒6速をショートにして1速から6速までのギアを等間隔に調整する
JT5は各ギアを個別に調整することができますので、熟練ドライバーはコーナーに合わせて変則的なギア比に調整することもあります。しかし、初心者にとって一番大事なことは、乗りやすいセッティングを作ること。シフトショックなどに慣れるまでは、ギア比は等間隔にしておくことをお勧めします。
ギア比は他のセッティング項目(ウィング、サスペンション、タイヤ空気圧など)の調整よって、微調整が必要になります。ウィングはトップスピードに大きく影響しますし、サスペンションやタイヤ空気圧などの調整によっても、加速や最高速が変化することがあります。各セッティング項目を調整するたびに、ギア比も一緒にチェックするようにしましょう。
エアロダイナミクス(ウィング)

ウィングは分かりやすいので、事細かにご説明する必要は無いかと思います。
・中、高速コーナーでアンダーステア
⇒フロントウィングを立てるorリアウィングを寝かせる
・中、高速コーナーでオーバーステア
⇒フロントウィングを寝かせるorリアウィングを立てる
JT5の場合、フロントはリップが固定されているので、アンダー、オーバーに対してはリアのみで対処してください。また、最高速はリアウィングで大きく変わってくるので、直線重視で走るかコーナリング重視で走るかによって、数値も大きく変化します。この辺りは、どうぞお好みで調整してください。ただし、低速コーナーではウィングの効果は薄いのでご注意ください。そして、ウイングを変えた時はギア比の調整もお忘れなく!
ステアリング(ハンドルロック角とLSD)

初心者の方が一番理解しにくいのが、この項目かと思います。"Steering"ってとても抽象的な書き方をしているこの部分、実は、ハンドルロック角とディファレンシャルギア(この場合LSD)の2種類が一緒になっている、ちょっと分かりにくい部分でもあります(そのうち修正されることを期待します)。
Wheel Range
ハンドルロック角と呼ばれ、この角度の範囲でハンドルが回転し、タイヤが動作することを意味しています。JT5の場合、デフォでは630(20deg)となっています。この場合、ハンドルは真っ直ぐの状態から半分の315°まで回転し、その時にタイヤが真っ直ぐの状態から20°の範囲で動くことを意味します。この部分は、車種によって固定されることも多いのですが、このように調整ができる場合もあります。この値は、お使いのコントローラや自分の好みによって、お好きなように弄って良いと思います。なお、yashimaの場合、この部分は敢えて調整しません。これは、Wheel Rangeは殆どの場合においてその車種のリアル数値に近いことが多く、弄らないほうが没入感を得やすいと考えているためです。
LSD(Pump、Power、Coast、Preload)
LSDに関しては、なかなか説明の難しい箇所となります。LSDの差動原理について、又は構造については専門書籍で多く取り扱われているものの、そのセッティングや効果について解りやすく、且つ、明確に書いてある記事はなかなか見かけません。リアルで車を弄っている方や知識のある方ならともかく、レースゲームから入る初心者には中々理解は難しいところです。
ということで、この部分については、とりあえずこういう方向で考えてみましょう。
POWER(加速時の駆動輪特性)
・コーナー立ち上がりで加速が足りない
⇒数値を上げ、リアのトラクションを増やす
・コーナー立ち上がり、コーナリング中にリアが出やすい、不安定
⇒数値を下げ、リアのトラクションを減らす
COAST(減速時の駆動輪特性)
・コーナー進入時にスピンしやすい、不安定
⇒数値を上げて減速時の安定を図る
・コーナー進入時にクリップに付きにくい
⇒数値を下げて減速時の旋回性を上げる
PRELOAD(プリロード、初期拘束力の強さ)
・加減速による姿勢制御を積極的に行いたい
⇒数値を上げ、LSDを最初から強く効かせる
・加減速による姿勢制御をゆっくり行いたい
⇒数値を下げ、LSDを徐々に効かせる
PUMP(内外輪のタイヤ回転数に差がある場合の駆動輪特性)
・低速時になかなか曲がらない(アンダーステア)
⇒数値を下げる
・低速時に曲がりすぎる(オーバーステア)
⇒数値を上げる
とまぁ、とりあえずこんな感じで、というとてもいい加減な記事なのですが、残念ながら著者の知識と語彙では、これ以上の説明が出来ないというのが現状です。特にPumpに関しては、フォーミュラでは使われることが多いものの、殆どの箱車Modでは固定されることも多い項目。あまり使ったことがないため、本当にこれで良いのか未だに不安です。
*2020/10/20追記
LSDについて、私の説明が「やはり」怪しかったことが判明しております。
RSRやSFの挙動制作等で著名なLuthien.j.Remillia(@Luthien_tw)さんに、Twitterで詳しくご説明頂きましたので、そちらのリンクを引用させていただきます。また、関連リンクをたどればPUMPに関しても解説頂いています。ご参照ください。
まずPRELOADがLSDの基本的な効き。パワーは加速時のLSDの追加分。コーストは減速時のLSDの追加分。
− Luthien.j.Remillia (@Luthien_tw) January 30, 2020
PRELOADで旋回中の曲げやすさを、パワーとコーストで加減速時の調整をするカンジ
セッティング全般に言えることですが、LSDにも「この項目はこの数値にすれば良い」といったものは全くありません。上位を走られる方には、私では考えもつかない高い拘束力を持たせる方もいますし、逆に、LSDは殆ど効かせない(低い数値を好む)方もいらっしゃいます。デフォセットが標準とは限りませんが、弄れば良くなるとも限らない、初心者にとってLSDセッティングは本当に頭を悩ませる項目の一つです。
また、LSDは他のセッティング項目の効き具合によっては、効果があまり感じられない場合もあります。LSDについていまいち分らない場合は、とりあえず別の部分からセッティングを進め、最後にLSDを調整程度に弄るのも良いかもしれません。
*2020/10/20追記
この部分に関して、最近のyashimaはアプローチを変えています。LSDを序盤に決めてしまえば、挙動の大まかな傾向(アンダー/オーバーなどの方向性)が決まりますので、割と序盤から数値を変えていくことが多いです。もちろん、途中や終盤に調整するのもアリアリです。
なお、LSDについて詳しくお知りになりたい方には、「車両運動性能とシャシーメカニズム」という書籍をお勧めしておきます。yashimaは、こちらの本に出会って、ようやくLSDを理解するための光明を得た気がします。その他、シャシやタイヤ、サスペンションについても、とても詳しく説明、掲載されています。ゲームの世界を飛び出して自動車そのものに興味を持たれた方、学校で自動車を勉強したけど忘れちゃった方に丁度良いかと思います。
サスペンションとは
初心者の方やyashimaがよく分からず敬遠しがちなサスペンションについて、ここでは取り敢えず簡単な説明をしていきたいと思います。

こちらの図は、自動車を勉強する本には必ずと言ってもいいほど掲載される、サスペンションを単純モデル化したものになります。この図からサスペンションを簡単に表現すると、タイヤが拾う路面の凹凸や車体の前後左右の動きをスプリングやダンパで吸収するものということになります。これを実際に車両を走らせる場合で言い換えると、加減速、コーナリング中、ストレート走行中などで、常に車両姿勢をドライバーの求める姿に制御するもの、と言っていいと思います。

実際のサスペンションは、実に多くのパーツとその調整から構成されています。こちらのrF2のサスペンション項目では、スプリング、ダンパ(SLOW/FAST)、パッカー、車高の4種類だけのように見えますが、実際にはこの他の項目となるキャスター、キャンバー、トー、アンチロールバー、そしてサードスプリングもサスペンションの構成要素となっており、JT5だけを見てもセッティング項目の約半分をサスペンションで占めていることになるのです。そして、これらのパーツは複雑に入り組んで相互に効果を影響しあうため、サスペンションはセッティングの中でも最も重要な部分であり、且つ奥の深い部分となります。
とは言っても、この記事は初心者向け。ここからは出来るだけ単純に、これらの項目を一つずつ取り上げ、セッティングの方向性を示してみたいと思います。
スプリングレート

スプリングレートとは、簡単に言ってしまえばばねの硬さ(強さ)です。複雑に言ってもばねの硬さです。スプリングは、タイヤと車体を繋ぎつつ、クッションの役割をするサスペンションの中で、一番主要なパーツといえます。スプリングは柔らかすぎると上の車体がフラフラして不安定になってしまいますし、硬すぎるとちょっとした段差でも弾かれてしまうため、常にバランスを求められるセッティング項目になります。
初心者の方は、まずは操作性とステアリング特性の2項目に考え方を分けて、調整を行うと分かりやすいと思います。
操作性に対する調整
・ハンドル操作に対して反応が悪い、車体がフニャフニャする
⇒全体的に硬くする
・ハンドル操作に対して過敏に反応する、バンプや縁石などで車体が跳ねて操作が難しい
⇒全体的に柔らかくする
ステアリング特性に対する調整
・コーナーでなかなか曲がらない(アンダーステア傾向)
⇒リアを硬くするorフロントを柔らかくする
・各コーナーで曲がりすぎる(オーバーステア傾向)
⇒フロントを硬くするorリアを柔らかくする
LSDの項目にも書いたことですが、セッティングに「この項目はこの数値にすれば間違いない」というものはありません。ステアリング特性調整時に、"硬くするor柔らかくする"とあるのは、個人の好みでどちらにするかを決められる、ということです。少々マシンが撥ねてもキビキビ動く方が良い方は硬めがお好きでしょうし、多少マシンがロールしても足回りが粘るような動きが好きな方なら柔らかめがお好きになることでしょう。サスペンションは、個人の好みでもセッティングが変わる、なかなか面白い項目でもあります。
また、ここでは特に言及しませんが、中級者以上になると、タイヤの摩耗進行具合や天候変化予測などからも、スプリングレートを調整することになります。セッティングに慣れてきたら、ぜひチャレンジしてみてください。
ダンパ(Bump/Rebound)

先述の通り、サスペンションは大まかにスプリング(ばね)とダンパで構成されています。スプリングは車体を安定させるクッションの役割を果たしますが、ご存知のとおり、ばねはどうしてもボヨンボヨンと連続して伸び縮みが起こってしまうので、そのままにしておくと車体はいつまでも揺れ続く、不安定な状態になってしまいます。そうならないように、ばねの揺れをすぐに抑えてくれるのがダンパの役割となります。
レーシングマシンのダンパは、ばねの動く速さによってダンパの強さ(減衰力)を細かく設定できるようになっており、rF2も同じようにセッティングが出来ます。Slow Bump/Reboundは、加減速時やコーナリング中など、ばねがゆっくり動く時の減衰力。Fast Bump/Reboundは、バンピーな悪路や縁石上など、ばねが素早く動く時の減衰力を示しています。
Slow Bumpは、加減速時やコーナリング中のばねの縮みに対する調整になります。
・減速時アンダーステア
⇒フロントのBumpを柔らかくして、前方への荷重移動を早くする
・減速時オーバーステア
⇒フロントのBumpを硬くして、前方への荷重移動を遅くする
・加速時オーバーステア
⇒リアのBumpを柔らかくする
・加速時アンダーステア、後方への荷重移動を遅くしたい
⇒リアのBumpを硬くする
Fast Bumpは、悪路走行中のばねの縮みに対する調整になります。
・路面状況の悪い箇所で跳ねやすい
⇒前後のBumpを柔らかくする
・路面状況の悪い箇所で応答性が悪い
⇒前後のBumpを硬くする
Reboundは、縮んだばねが戻る時の減衰力の調整になります。荷重移動速度を制御する調整が可能になります。
・減速から加速に移る時、荷重移動が早すぎる
⇒フロントReboundを硬くして荷重移動を抑える
・減速から加速に移る時、荷重移動が遅すぎる
⇒フロントReboundを柔らかくして、荷重移動を抑える
・加速から減速に移る時、荷重移動が早すぎる
⇒リアReboundを硬くして荷重移動を抑える
・加速から減速に移る時、荷重移動が遅すぎる
⇒リアReboundを柔らかくして、荷重移動を抑える
と、ここまでダンパの調整についてあれこれ書いておいて何ですが、初心者の方には、ダンパを細かく調整することは、あまりお勧めできません。実際のところ、yashimaが初心者の時に訳がわからないままダンパを弄ると、大体ろくなことになりませんでした。初心者の方は、スプリングとダンパの関係はスプリングが主役であり、ダンパは余計な振動を抑えるサポートであると割り切って、あまり大きな調整をしない方が良いでしょう。
なお、yashimaが使用しているセッティング項目では、ダンパ表示は段階(1〜20など)ではなく、実数表示(N/m/s)となっています。これはPlayer.jsonを書き換えることでお好きな方に変更できます。どちらが良いということもないので、お好きな方を使用してください。
アンチロールバー

アンチロールバー(ARB)は、スタビライザ(スタビ)とも呼ばれるパーツです。これは少しスポーティーなクルマなら、最初から装着されていることが多いので、車好きの方なら結構ご存知かもしれません。ARBは左右のサスペンションを繋ぎ、コーナーで荷重が横にかかった時に、車体のロール(傾き)を抑える役割を果たします。スプリングやダンパを変更したくない時などは、ARBを調整することでロールを抑制し、コーナリング特性を変えることが出来ます。
・コーナー進入でアンダーステアになる
⇒フロントを柔らかくする
・コーナー進入でオーバーステアになる
⇒フロントを硬くする
・コーナー出口でアンダーステアになる
⇒リアを硬くする
・コーナー出口でオーバーステアになる
⇒リアを柔らかくする
・ステアリング操作に対してリアのレスポンスが良すぎる
⇒リアを柔らかくする
・ステアリング操作に対してリアのレスポンスが悪すぎる
⇒リアを硬くする
ARBはコーナーでのバランスを簡単に変化させることができますので、慣れてくると頻繁に調整することになる項目になります。しかし、あまりに硬くし過ぎるとサスペンションが機能しなくなり、タイヤの摩耗だけを助長させてしまうことがあるので注意しましょう。
キャンバー

キャンバーは、クルマを正面から見たときのタイヤの角度のことです。レーシングマシンの場合、殆どの場合でタイヤが正面から見てハの字になる、ネガティブキャンバーを採用します。キャンバー角を適度にネガティブを保つことで、横方向への踏ん張りが効くようになり、コーナーを速く走れるようになります。キャンバー角の調整は、コーナリング時の横方向へのグリップと加減速時の両方の観点でセッティングを進めます。
・コーナー全般でアンダーステア
⇒フロントキャンバーを大きくorリアキャンバーを小さくする
・コーナー全般でオーバーステア
⇒フロントキャンバーを小さくorリアキャンバーを大きくする
・加速時に不安定、スピンしやすい
⇒リアキャンバーを小さくする
・減速時に不安定、ブレーキロックしやすい
⇒フロントキャンバーを小さくする
キャンバー角は、コーナーでの速さに直結すると言ってもいい、とても重要な項目です。しかし、コーナーでの速さを追い求めるあまりキャンバー角大きくし過ぎると、タイヤが発熱しやすくなって摩耗が早くなったり、直進安定性を失ってブレーキや加速でスピンをしやすくなってしまいます。コーナーと、加減速安定性のバランスを失わないように気をつけてください。
キャスター

キャスターは、マシンを横から見たときの、フロントタイヤの操舵角の傾きです。キャスターは直進安定性を確保するのに重要な役割を果たしますが、キャスター角が小さすぎると安定性が悪くなりますし、逆につけ過ぎるとハンドルが重くなって操縦応答性が悪くなったりします。
・ハンドリングがもたつく/路面の反応が分りづらい
⇒角度を小さくする(キャスターを立てる)
・ハンドリングがクイック過ぎる/高速コーナーで不安定
⇒角度を大きくする(キャスターを寝かせる)
また、コース特性によってキャスターを調整することもあります。
・高速コース(高速安定性重視)
⇒角度を大きくする
・低速テクニカルコース(応答性重視)
⇒角度を小さくする
本来、キャスター角はキャンバー角やタイヤなどへの影響もあるのですが、ここは初心者向け講座ということで割愛します。キャスター角のその他の効果については、セッティングに慣れてきた頃に思い出してみてください。
トー

トーは、マシンを上から見たときに、タイヤを外側もしくは内側に向ける角度です。トー角の調整では、直進安定性を良くしたり、ターンインの反応を変化させることが出来ます。コーナーの進入で思うようにクリッピングポイントにつけない時や、リアの反応が悪い時などは、トー角も調整してみるようにしましょう。
・コーナー進入でクリップにつけない
⇒フロントをアウト(-)に調整
・コーナー進入でフロントが過敏すぎる
⇒フロントをイン(+)に調整
・コーナリングでリアが滑りやすい
⇒リアをイン(+)に調整
・コーナーでリアをもっと出したい
⇒リアをアウト(-)に調整
・悪路やブレーキで姿勢不安定になる
⇒フロントをアウト(-) or リアをイン(+)に調整
JT5の場合、フロント・トーは基本的にトーアウト(-)、リア・トーは基本的にトーイン(+)の範囲で調整します。しかし、市販車の場合は、殆どの場合で前後ともトーインに調整しますし、レーシングマシンも駆動方式などによって、この傾向は当てはまらないことも多いです。何度も書いているように、セッティングに絶対はありません。車種や状況によって、様々なパターンを試してみてください。
車高(RideHeight)、パッカー

RaidHeight
rF2でいうところのRideHeightは、厳密に言えばサスペンション下部の高さだと思うんですが、細かいことを言い出すと面倒くさいので、ここでは車高ということでご説明します。車高は低ければ低いほどロールセンターが下がり、コーナリングし易すくなりますが、あまり低いと車体が路面に付く底付きを起こしてしまい、サスペンションが機能しなくなってしまいます。
・ロールが大きくコントロール性が悪い
⇒車高を下げる
・コントロール性は良いが底付きを起こす
⇒車高を上げる
また、JT5のような現代GTやフォーミュラカーでは、車高によって得られるダウンフォースが変わってきます。
・もっとダウンフォースを得たい
⇒車高を下げる
・ストレートで底付きを起こす
⇒車高を上げる
Packer
パッカーは、底付きを起こす際に、ゴムの厚みによってその衝撃を和らげる働きをします。
・底付きを起こす
⇒パッカーを厚くする
・底付きを起こさない
⇒そのままorパッカーを薄くする
車高の項目では、底付きは車高を上げて解消すると説明しておりますが、実際にはこれ以上車高を上げたくない場面も出てきます。Packerは、そういった場合に底付き防止として調整してください。ただし、サスペンションストロークはパッカーの厚み分だけ減少してしまうこと、また、パッカーが入っても完全に底付きを防止できないことがあることにご注意ください。
タイヤについて
rFactor2の最大の特徴とも言えるのが、このタイヤになります。rF2以前のレースシムでは、タイヤは摩耗と熱だけを計算する簡易モデルで表現されていました。しかし、rF2では動的な変形や局所摩耗(フラットスポット)、熱の蓄積や熱劣化(デグラデーション)など、より多くの物理演算が施されるようになっています。

こちらは、2年ほど前の「rfactor2のタイヤ摩耗と熱ダレによるグリップ低下について」に掲載した、rF2のタイヤ摩耗と熱劣化のイメージ図となります。詳しいことは記事の方を読んでもらうとして、ここで説明したいのは、rF2では昔のレースゲームやrF1の時のような、タイヤに無理を強いる走り方は一切通用しない、ということです。
rF2のタイヤは、無理をさせて熱を加えれば加えるほど、物理的な摩耗が進行していなくてもタイヤは熱劣化(熱ダレ)し、グリップが下がってしまいます。また、熱ダレでグリップが下がったタイヤで走行を続けると、今度は消しゴムのようにゴムの表面が削れ、物理的な摩耗が進行してしまいます。そして、熱ダレと摩耗進行の悪循環に陥ったタイヤグリップは、下降の一途を辿ってしまう事になるのです。
もちろん、熱が入っていない冷えたタイヤは本来のグリップを発揮してくれませんが、rF2のタイヤは必要以上の熱を極端に嫌う傾向があります。レースでは、タイヤとは仲良く、相談しながら走るようにしてください。
空気圧(TirePressure)

タイヤの空気圧は、地味ですがけっこう重要項目です。タイヤに空気を入れれば入れるほど摩擦面の接地面積が小さくなり、スピードは出やすくなりますが、反対に、摩擦面が小さいということは、タイヤのグリップも小さくなってしまいます。
rF2のタイヤは色々言い出すと本当にキリがないのですが、とりあえずは簡単に考えてみましょう。
・グリップが足りない
⇒空気圧を下げる
・ストレートスピードを伸ばしたい
⇒空気圧を上げる
空気圧は、タイヤの強度や熱の入り方などにも影響を及ぼすので、本当はもっとややこしい話になってしまいますが、この記事は初心者向けということで、ここでは割愛させて頂きます。ある程度余裕ができたら、今度は姿勢制御や戦略面からも空気圧を見直してみてください。
コンパウンド(Compound)
タイヤの種類や硬さのことです。JT5の場合はドライタイヤ1種類、ウェットタイヤ1種類の2種類しかないので、ここはあまり困ることはありません。状況に応じて、ドライかウェットを使い分けてください。
しかし、他車種(URD EGTなど)では、タイヤが硬さや用途に合わせて複数用意されていることもありますので、その場合は、Modderさんのリリースノート(解説)を読むようにしてください。
ブレーキ

ブレーキについては事細かに説明する必要はないと思いますが、ちょっと気をつけなければならない部分もあります。
BrakeBias
ブレーキバイアスは、前後ブレーキの強さバランスの配分となります。一般的に、ブレーキは前方車輪のブレーキを強くすることで、ブレーキ時に車体が不安定にならないようになります。バランスはおおよそ、70:30〜60:40の間になることが多いです。
・急減速時に先にリアがロックする
⇒ブレーキバイアスを前よりにする
・急減速時に先にフロントがロックする
⇒ブレーキバイアスを後ろよりにする
rF2の場合、ブレーキバイアスの表示が、2通りあることに気をつけなければなりません。

こちらはS397純正のGT5000GT-RのNotes(注意書き)になります。ここには”Effective Brake Bias(on 50,50 balance bar):F/R 62.9%/37.1%”と書いてありますが、これは「BrakeBias表示が50:50のとき、実際のブレーキ配分は62.9:37.1になる」ということを表しております。何故このような表現にしたのかは不明ですが、デフォからどれぐらい動かしたか、という点については、この方が分かりやすいのかもしれません。

一方、こちらはS397純正のRenault Clioのブレーキ項目です。ここで表示されているブレーキバイアスは、70:30となっており、これはそのまま実際のブレーキ配分を表示しています(rF1では、すべてこちらの表記方法でした)。
このように、純正Modで比べてみても、ブレーキバイアスの表記方法には、車種によって違いがあることをご理解頂けたかと思います。たまに、他のドライバーさんと会話していてバイアスの値が全く噛み合わないということがありますが、大体の場合はこの表記方法の違いによるものです。本当はどちらかに統一してほしいものですが、今のところModderさんによって表現が異なることはよくあり、この辺りは要注意となります。
2021/3/17追記:
JT5のような50:50がベースになる表記方法では、「実際のブレーキ力割合」ではなく「ペダルから前後ブレーキに伝える力の割合」が表されています。ユーザーにはちょっと分かりにくい表記ではありますが、実はこれ、rF2があまりにもリアルに挙動を作ろうとしている結果でもあります。それでは何故、このような表記になるのでしょう。
こちらはrFactor2の挙動を作るため、Studio397が用意しているスプレッドシートとなります。私も以前、勉強のためにkodiという架空の車両を触った事があり、このシートには大変苦しめられましたお世話になりました。これをよーく見ると、rF2でのブレーキを計算するシートでは、フロントブレーキとリアブレーキに、それぞれディスクやピストンのサイズや数、そしてパッドの材料などの実車数値や形状を入力することで、結果としてブレーキ力が計算されていることが分かります。これにより、rF2での車両設計では、狙ったブレーキ力を直接入力するような安易な挙動設計は不可能であり、実車からのデータや、車に関する知識、経験が不可欠であることをご理解いただけると思います。
さて、このシートを下の方に進めていくと、キャリパーピストンの数やサイズを入力する部分があります。これは実車経験のある方ならご存知かと思いますが、スポーツカーのディスクブレーキでは、「フロントブレーキに6ピストン、リアブレーキに4ピストン」というピストン数になることが多くなります。ブレーキパッドは、ピストンが増えると押し付ける力も強くなるため、これだけでもペダルから前後ブレーキに同じ力(50:50)を伝えると、前後のパワーバランスは60:40になるということになるのです。また、この数値はピストンの数だけではなく、前後のディスクサイズやパッド材などによっても変化するため、JT5のようなリアル指向の車両では"62.9:37.1%"という細かい計算結果が反映されます。
50:50ベースのブレーキバイアス表記は、ブレーキバランスを数値としてとらえるには少し分かりにくくはなりますが、挙動としてはリアルを追求して作られている場合が多いと言えるでしょう。最初はややこしく思われるかもしれませんが、この機会に実車やrF2の知識を深めつつ、セッティングを進めてみてください。
Front Brake Duct
フロントブレーキを冷やす、ダクトのサイズです。レーシングマシンのブレーキには、ブレーキが良く効く適正温度というものがあります。適正温度はブレーキの種類によって様々ですが、冷えすぎると本来のブレーキ性能は発揮できず、熱すぎるとフェード現象を起こしてブレーキが効かなくなり、最悪の場合ブレーキが故障してしまいます。
・ブレーキ温度が上がりすぎる
⇒ダクトを大きくする
・ブレーキ温度が下がりすぎる
⇒ダクトを小さくする
Max Pedal Force
これは、目一杯ブレーキペダルを踏み込んだ時の力の強さとなります。ブレーキ時に意図せずロックをさせやすい方は、これを下げることでブレーキロックを防ぐことが出来るようになります。
・頻繁にブレーキがロックしてしまう
⇒ペダルフォースを下げる
・制動距離を短くしたい、ブレーキが足りない
⇒ペダルフォースを上げる
エンジン

エンジンは、言わずと知れたマシンの心臓部。本来は様々なセッティング項目がある筈なのですが、rF2では詳細なエンジンセッティングは今のところ出来ません。しかし、マシンの速さや耐久性を決める重要な部分であることに違いはありませんので、しっかりとセッティングしましょう。
Rev Limiter
エンジンの最高回転数を制限するのがレブリミッターです。一般的に、回転数が高くなればなるほど高出力を得られる傾向がありますが、その分エンジンの耐久性は落ちることになります。また、あまり回転数を引っ張りすぎる(上げすぎる)と、エンジン特性によってはかえってパワーを得られなくこともあるので注意しましょう。なお、レブリミッターは、最初のうちはデフォセットで十分です。
Radiator Size
エンジンの冷却水を冷やすラジエーターの大きさです。オーバーヒートはエンジンにとって致命傷になりますが、オーバークールは出力低下に繋がります。コクピ画面で水温・油温計が表示される場合は、レースで最適温度を保てるサイズに調整しましょう。ラジエーターも、最初のうちはデフォセットで十分です。
Engine Mixture
ミクスチャとは、空燃比(空気と燃料の比率)のことです。細かい説明はここでは省きますが、簡単に言ってしまえば、ミクスチャを上げれば上げるほど、全回転域でのパワーを増やすことが出来ます。しかし、燃料を増やすため燃費は悪くなってしまいます。
・もっとパワーが欲しい
⇒数値を上げる
・燃費を抑えたい
⇒数値を下げる
耐久レースではピットイン時間がレース結果に直結しますので、中級者以上になると外部モニターで燃費を計測し、レース中にミクスチャを調整する方もいます。しかし、燃費計算に気を取られてクラッシュするyashimaのようなドライバーもたまに見ますので、初心者のうちは"1周◯Ltrで走って、レース全体で◯◯Ltr使う"といったレース計画を立て、それをしっかりと守りながら走ることを心がけたほうが、良いレース結果を得やすいでしょう。
Boost Mapping
JT5ではこの項目はありませんが、簡単にご説明すると、ブーストとはターボ搭載車の過給圧のことです。
・もっとパワーが欲しい
⇒数値を上げる
・燃費を抑えたい
⇒数値を下げる
過給圧の上昇では、排気ガスのエネルギーを利用するため、また、タービンの回転が上がるまで時間がかかるため、アクセルオンからパワーアップまでに時間がかかることがあります。これがいわゆる”ターボラグ”と呼ばれるもので、これにより、ターボ搭載車は高回転域の出力アップが期待できる一方、アクセルと出力がリニアに反応せずドライバビリティを低下させることがあります。特に、年代の古いマシンを遊ぶ時は、ターボラグには十分注意してください。
Brake Map
ブレーキマップとは、エンジンブレーキ(バックトルク)の強さのことです。
・制動距離を短くしたい
⇒数値を上げる
・減速をマイルドにしたい
⇒数値を下げる
エンブレが強ければ強いほど、減速時に短い制動距離で止まることも出来ますが、反面、ブレーキ時に駆動輪がロックしやすくブレーキ操作が難しくなることがあります。この辺は各自の好みにもよりますが、低μ路面やウェット時などは、数値は下げておいたほうが無難かもしれません。
ウェイト

ウェイトでは、マシンに搭載するバラストを前後左右に動かすことで、マシンのウェイトバランス(重心位置)を変えることが出来ます。
Lateral
左右方向のウェイトバランスです。基本的に50:50です。rF2の多くのマシンは、ドライバー重量分(0.1程度)ずらしてあることもありますが、ドライビングには殆ど影響しません。オーバルレースでもない限り、デフォのまま動かす必要はないと思います。
Vertical
上下方向のウェイトバランスです。固定されているModの方が多いと思います。
Wedge
NASCARなどで、サスペンションの微調整を行う装置です。yashimaもよく分かってないし、初心者向けではないので、ここでは割愛します。
Weight Dist
重量配分(Weight Distribution)、前後方向に対するウェイトバランスです。駆動輪の荷重調整やステアリング特性を変えることができますが、あまり大きく動かせるものではないため、微調整レベルで考えてください。
・加速時に駆動輪(リアタイヤ)を食いつかせたい
⇒バランスを後ろより(+)にする
・コーナリング中のオーバーステアを解消したい
⇒バランスを前より(-)にする
ウェイトバランスはその性質上、どちらかを良くするとどちらかが悪くなることになるため、あまり頻繁に動かさないほうが良いと思います。
サードスプリング

JT5には搭載されていませんが、S397純正GT500GTRには搭載されていますので、簡単にご説明しておきます。サードスプリングは、どちらかと言えば”サードダンパー”と検索したほうがググりやすいパーツです。高いダウンフォースが発生するフォーミュラカーやGT車両では、メインのサスペンションだけでは支えきれないほどのダウンフォースが発生するため、その不足を補うために搭載されることが多いパーツです。
・ストレートでダウンフォースにより底付きを起こす
⇒硬くして底付きを防止する
・ギャップなどで挙動が急変してしまう
⇒柔らかくして挙動をマイルドにする
なお、サードスプリングは、マシンの上下方向の動きに対して効果を発揮するように作られるため、ブレーキや加速時などのグリップやバランスにも軽く影響を及ぼすことがあります。初心者にとっては、メインサスペンションの項目だけでもセッティングが大変なのに、サードスプリングに手を出すのはなかなか難しいところかと思います。最初のうちはデフォのまま置いといて、セッティング自体に慣れてきたら、ここも調整していくようにした方が良いでしょう。
電子制御デバイス

トラクションコントロール(TCS)とアンチロックブレーキシステム(ABS)は、既に様々な車種で常識的に搭載されている電子制御デバイスになります。ただし、トップカテゴリーには搭載されないことが多いデバイスでもあり、JT5もその例に漏れません。
TCS
・加速時にホイルスピンしてしまう
⇒TCSを上げて、ホイルスピンを抑制する
ABS
・減速時にブレーキロックしてしまう
⇒ABSを上げて、ブレーキロックを抑制する
マルチでは、TCSやABSが本来は使えない車種でも、間口を広げるために使用可にしている鯖管さんも多いです。特に初心者のうちは、使えるものはどんどん使ってレースを楽しみましょう。
まとめ
・セッティングの順番?
以上で、今回の「セッティングの進め方」全て終了しました。しかし、これを上から順番にこなすだけではセッティングは終了しません。途中でも書いてある通り「あっちを変えればこっちも変わる」というように、項目同士が連動するケースが多々あります。
今回は、各項目には敢えて番号を振っておらず、順番もある程度は適当に並べてみました。最初はこの順番でやってみるとしても、ある程度セッティングが固まってきたら、気になる部分はどんどん見直していきましょう。とても根気のいる作業ですが、これがセッティングを煮詰めるということ。このレースでダメな箇所があったなら、ホームコースに帰って気になるところを見直してみる。次のレースでまたダメなら、その次までに…と言った具合で、少しずつ焦らずに、自分のセッティングを煮詰めていってください。
・まず練習、そしてセッティング
前回の記事にも似たようなことを書きましたが、今回は少し書き方を変えてお伝えします。実際のレースでは、一度に20周以上も走ることもあるわけですが、セッティング作業では、数周走ってマシンを弄る繰り返しになるので、なかなかまとまった走行距離を走ることはありません。
散々セッティング云々書いといて何ですが、初心者の方に一番重要なのは走行距離、すなわち練習です。どんなにセッティングが上手くなっても、操縦がヘタでは車は速く走ってくれません。どんどん走って上手くなりましょう。幸い、JT3のようにしっかりしたModderさんが作られたModなら、デフォセットから少し好みにアジャストするだけで、十分練習になります。大事なことなので二度書きます。まずは走りましょう!セッティング云々は、その後でも十分間に合います。
・何を練習するか
さて、頑張って何十周も練習しているのに、中々タイムが上がらず安定しない、腕が上達しない。こんなお悩みの初心者ドライバーさんは多いと思います。これについては、yashimaの個人的な経験談を書いてみますと、練習中に何を意識するかによって、上達の度合いが全く異なってくるものだと思います。
コースのライン取りであったり、操作やタイムの安定性。マシン挙動の掴み方や修正方法などなど、練習で気をつけなければならないところ、意識しなければならない項目は多々あります。また、どのように練習していくのか、どう変えていくのか、これも重要なことです。
レースや実車で実経験のあるドライバーの方は、監督や先輩ドライバーからの指導で、この辺がしっかりしている方が多いと思います。しかし、レース初心者の方は、まずどこを意識すればいいのか、何を練習すればいいのか、これが分からないまま、走行距離だけが伸びていくのだと思います。
この辺については、レースの入門本を紐解くと、様々な手法が掲載されています。また、最近はSNSやボイスチャットなども気軽に楽しめるようになっていますので、先輩ドライバーさんに意見を求めるのも良いことではないかと思います。また、時間があれば、そのうち、こちらのブログでも私の経験談をまとめていこうと考えていますので、期待せずにお待ち下さい。
・yashimaを倒そう!
練習もたくさんして、セッティングある程度出来るようになってきたら、あとは実践あるのみです。ちょうどよいことに、rF2のマルチでは、何年も走ってるのに、未だ中団グループをウロウロしている「yashima」という格好の的がいます。ドラ◯エでいうところのスラ◯ムみたいなものです。まずはこいつを沢山倒して、経験値を稼ぎましょう。
そうして気づいた頃には、貴方は上位クラスでベテランドライバー相手に好バトルを展開され、初心者はとっくに卒業されていることでしょう。その時には、相変わらず中団辺りをウロウロしているyashimaを、鼻で笑って追い抜いていってください。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。またレースでお会いしましょう。
ラベル:セッティング
こんなブログでも、多少でもお役に立てたのなら幸いです。
ただ、この記事も本当にこれで正しいかどうか、書いた本人でさえ微妙に思います。
どうぞご注意頂きながら、今後もレースシムを楽しんでいただけたらと思います。
コメント、ありがとうございました^^
サスペンションの項目は硬い、柔らかいと表記されてますが数値を上げると硬くなるという意味でしょうか?
サスペンションの硬いor柔らかいは、仰る通り数値を上げると「スプリング(orダンパ)が硬くなる」という意味で使っています。
スプリングを例に取りますと、"100N/mm"と書いてあるスプリングがあれば、これは「スプリングを1mm縮めるのに100Nの力が必要になる」ということを表しています。
これがもし"200N/mm"であれば倍の力が必要になるわけですから、数値が上がれば上がるほどスプリングは硬くなる、ということになります。
私も勉強中の身で分からないことも多いですが、またご不明な点があれば何時でもご質問ください。コメントありがとうございました^^