2022年08月14日

セッティングの進め方〜2022年新UI対応版〜

2022年1月、Studio397はrFactor2のUIを大幅に更新しました。おかげでrF2はとても使いやすくなった(以前が壊滅的に使いにくかった)のですが、セッティング画面もこれまでとは全く異なるUIになってしまったため、前回記事はとても使いづらくなってしまいました。

最初は以前のページをそのまま作り直そうかとも考えましたが、セッティング画面がこれまでとはまるで異なる上に、一部は項目名が変わってしまったこともあり(目次が使えないorz)、今回の記事もイチからの作り直しとなっています。

さて、本記事も以前と変わらず、yashima目線でのセッティング解説となっています。原理や理屈はとりあえず置いといて、できるだけ実践的に分かりやすくなるよう書くつもりです。相変わらず私より速いドライバーにはまるで必要のない記事ではありますが、レースシムを最近始められて「何をどうしたらいいやら」という方に少しでも役立てば幸いです。

本稿はいつも通りセッティング項目を黒太文字表示し、マシン挙動や気付きのヒントに関する記述は緑太文字具体的なセッティング方法は青太文字その他注意して頂きたい部分は赤太文字で構成しています。それ以外の部分は蛇足だったりするので、お忙しい方は飛ばしながら読んでください。

camaro.jpg
本記事では"Camaro GT3 2012(tanima GT300)"を題材としてお伝えします。カマロはISI時代のrF2に収録された非常に古い車種となり、元々は超ハイパワーのGT3黎明期のマシンとなりますが、このtanimaGT300バージョンはSTGTで使用するために鯖管が様々なダウングレードを行い、初心者の方向けに走りやすく挙動を調整した車両となります。

谷間カマロは決してリアルな挙動を求めた車両ではなく、一般的にはあまり乗りやすいとはいえない車種となります。しかし、とにかく安定傾向(アンダーステア)の強い挙動特性を示しますので、GT-Rや370Zで苦戦される方にはおそらく乗りやすい部類に入ると思います。また、セッティング項目の殆どが変更できるので、セッティングの勉強にはピッタリかと考えます。

そして、このカマロに物足りなさを感じるようになれば、それはきっと貴方のドライビングが上達したことに他ならず、もっと素晴らしいドライビングを解説してくれるサイトに進まれることをオススメします。

もし、これからrF2を始めてみようという方は、まずはカマロで腕慣らしを兼ねてセッティングを体験してみてください。


目次

セッティングとは

summary.jpg
セッティングの記事では毎度同じことを書いていますが、私は"セッティングとは自分が走りやすいようにマシンを調整する作業"と考えています。もし仮に、あなたがデフォルトセッティングで特に困っていなければ、セッティングは全く行わなくても良いと思います。

しかし、どんなに素晴らしいマシンがあったとしても、どこのコースに行ってもデフォセットで全て大丈夫ということはほぼありません

例えば富士のようなストレートが長いコースでは、ウィングの値、車高、ギア比などを変えないと、どんなに頑張っても速く走ることはできません。また、平坦なコースとアップダウンの激しいコース、グリップの高いコースと低いコースでは、サスペンションやダンパの働きは全く異なります。

少しでも走りにくい場面に遭遇した場合には、セッティングはどんどん変えていきましょう。



ホームコースの重要性

20220708182136_1.jpg
こちらも以前の記事と全く同じことを書いておりますが、セッティングはいつ、どこで行えばよいのでしょうか。本番直前のプラクティス?予選?残念ながら、初心者の方はどんなにがんばっても、本番直前にはセッティングを完了することは出来ないと思います。良くても、コースを覚え、レースに必要な燃料量やタイヤ摩耗を計測するのが精一杯でしょう。

それでは、いつ、どこでセッティングを行えばいいのか。それは、レースの無い日のホームコースです。レースが行われるコースを事前に走りこんでおくのはもちろん必要不可欠なことなんですが、その前にホームコースで自分なりのセッティングの土台(標準セット)を作っておけば、あとはレースが開催されるたびに標準セットを微調整するだけで、いつでも慌てることなく参加できるようになるのです

もし、貴方がホームコースを決めていないというのであれば、今から考えてみましょう。ホームコースには自分が好きなコースを選べばいいのですが、個人的には"適度な距離を持ち様々なコーナーが存在し、アップダウンもあるコース"が望ましいと考えます。また、rF2はBuildアップが多いので、コースの出来次第ではセッティングに向かないコースが多いのもまた事実。出来るだけ純正、もしくは著名Modderさん制作の出来の良いコースを選ぶことをお勧めします。

yashimaは、鈴鹿(Matsusaka)富士オートポリスなど、国内コースをメインに走り込んでいます。鈴鹿は純正サーキットですし、富士とAPは全く性格の異なるコースですが、rFactor1自体から重用されている良作サーキットとなっています。いずれのコースも上記の条件に適っており、ホームコースにするにはうってつけだと思います。

ホームコース選びは個人の好みやメインで走る車両にもよりますが、頻繁にレースが行われるサーキットをホームコースにすれば、そこを走り込むことは大きなアドバンテージにもなります。みなさんも自分のホームコースを見つけ、走り込んでください。


セッティングの順番

初めてレースシムを遊ばれる方は「どの順番でセッティングしたらいいんだろう?」と悩まれるかもしれません。そこで、本稿ではyashimaがホームコースで標準セットを作る際のだいたいの順番で進めていきます。最初はこれを見ながら進めてみてください。

しかし、本当はセッティングに順番なんてありません。セッティングはあっちを良くするとこっちが悪くなるの繰り返し。また、一つずつ変えて試してみるのが好きな方もいれば、いっぺんにいろいろ変えて試してみたい人もいて、上級者でもその好みは意外とバラバラです。

ただ、共通して言えるのは、上級者の方はとても走り込んで標準セッティングを作られています。中には予選最後の方にサーバーに来て「デフォセットが一番」なんて仰っしゃられる方もいますが、そのような方はだいたい私よりも長く走っている大ベテラン。卓越したドライビング技術と研ぎ澄まされた感覚で、そのレースを乗り切ることができる方です。初心者の方が同じようなことをする、もしくは判断を下せるようになるには、途方もない走行距離が必要になることでしょう。

セッティングを作る際は、四の五の言わずにとにかく走る!これに尽きます。そして、納得がいくまでセッティングを変えまくり、納得がいっても結果がついてこない場合はさらに走る。そうして、いつしか自分なりのセッティングと走り方が決まってくれば、これが"セッティングを煮詰める"作業だったことになるのです。

最初はだいたいこの順番で進めてみて、少しでも慣れてきたら色々と変えてみて、自分なりのセッティングを煮詰めてみてください。


Fuel

fuel.jpg
何はなくとも、燃料がないことにはクルマは走りません。FUELではスタート時の燃料搭載量と、ピット回数、ピット毎の燃料補給量を設定しましょう。

Starting fuel
スタート時の搭載燃料量を設定します。スプリントレースなら下記で計算、耐久レースなら基本は満タンスタートです。
  • 必要燃料量[Ltr]=(1周あたりの燃費[Ltr/lap]xレース周回数)+1〜2周分の燃料
1周あたりの燃費は、燃費を測ってくれる外部ソフト(SimHUBやTinyPedalなど)を使用される方は、その数値で計算出来ます。また、純正のHUDにも燃費計はついているので、おおよその数値はすぐに見ることができるでしょう。

最後の+1〜2周分は、コースアウト時の復帰用や、時間制レースで計算より1周伸びてしまった時の予備です。せっかく完走できそうだったのに、ガス欠でリタイアなんてもったいない。燃料は常に余裕を持って積んでおきましょう。

Number of stops/Stop1-3
ピットインする回数とその時の搭載量を、予め決めておくことができます。しかし、4回以上ピットインするロングレースでは、3回目までは自動的に設定燃料が搭載されますが、4回目以降はゼロになってしまうことがあります。ピットイン前は、必ずピットメニューで補給燃料量の確認を行ってください

なお、+50L(15laps)と書いてある周回数表示には注意が必要で、これはマシンやコースの製作者がきちんと設定していないと、数値がいい加減な場合が多々あります。必要燃料量は必ず自分で計算しましょう。


rFactor2のタイヤ

タイヤセッティングの前に、rFactor2の最大の特徴とも言えるタイヤについてご説明します。

rFactor1では、タイヤ挙動は摩耗と熱だけを計算する簡易モデルで表現されていました。しかし、rF2では動的な変形やフラットスポット(局所摩耗)、熱の蓄積や熱劣化(デグラデーション)、路面水量によるグリップダウンと温度変化、気温や路面温度の影響など、非常に多くの物理演算が行われています。

a.jpg
こちらは当ブログ記事のrfactor2のタイヤ摩耗と熱ダレによるグリップ低下についてに掲載した、rF2のタイヤ摩耗と熱劣化のイメージ図となります。詳しいことはリンク先をご一読いただくとして、ここで覚えていただきたいのはrFactor2ではrFactor1や他レースゲームのような、タイヤに無理を強いる走り方は一切通用しないということになります。

rF2のタイヤは、無理をさせて熱を加えれば加えるほど、物理的な摩耗が進行していなくてもタイヤは熱劣化(熱ダレ)し、グリップが下がってしまいます。また、熱ダレでグリップが下がったタイヤで走行を続けると、今度は消しゴムのようにゴムの表面が削れ、物理的な摩耗が進行してしまいます。このように、熱ダレと摩耗進行の悪循環に陥ったタイヤグリップは下降の一途を辿ってしまい、決して状態が戻ることはないのです。

もちろん、熱が入っていない冷えたタイヤは本来のグリップを発揮してくれませんが、rF2のタイヤは必要以上の熱を極端に嫌う傾向があります。レースでは、タイヤとは仲良く相談しながら走るようにしてください。


FRONT/REAR WHEELS

wheelscamaro.jpg
WHEELSでは、タイヤのアレコレをセッティングすることができますが、rF2のタイヤには伝統的にCamberセッティングが含まれます。キャンバーはクルマを正面から見たときのタイヤの角度のことですが、この項目はセッティング初期段階では触らないほうが良いでしょう。詳細はSUSPENSIONで説明します。

Compound
コンパウンドはタイヤの種類を示し、硬さや用途が変わります。カマロにはMedium、Hard、Wetの3種類のタイヤが用意されています。
  • グリップが足りない
    ⇒柔らかい(Medium)タイヤを選択する
  • 摩耗が早すぎる
    ⇒硬い(Hard)タイヤを選択する
  • 雨で滑る
    ⇒Wetを選択する
ウェットタイヤは雨天専用タイヤですが、路面から水しぶきが上がる頃まではドライタイヤのほうがグリップすることがあります。また、タイヤは車種によって種類や性能が変わることもあります。そのような場合は、車両製作者さんのリリースノート(解説)を読むようにしてください。

Tire pressure
タイヤの空気圧は、一見すると簡単なセッティング項目に見えてかなりの重要項目です。

一般的に、タイヤの空気圧を上げるほど接地抵抗が小さくなりスピードは出やすくなりますが、反対にコーナーでは滑りやすくなってしまいます。しかし、カマロの空気圧に関しては
  • 初心者の方にお勧めする空気圧は最低値(デフォルト)
になります。

また、少し上級者向けのセッティングとして、空気圧を上げることでタイヤ剛性を変化させることにより、挙動にも変化が現れます。
  • アンダーステアを解消したい
    ⇒フロント空気圧を下げる or リア空気圧を上げる
  • オーバーステアを解消したい
    ⇒フロント空気圧を上げる or リア空気圧を下げる
ただ、極端な空気圧で挙動変更を行うと、レースでは発熱、摩耗、フラットスポットなどに繋がるケースもあります。もし、挙動変化が他のセッティングで可能であれば、空気圧セッティングは摩耗やグリップを重視した方が好結果を得やすいことでしょう。

Brake disc
ブレーキディスクの厚みを調整できるセッティング項目です。本当はブレーキのセッティング項目です。調整できる車種が一握りに限られているため詳細な説明は省略しますが、厚いとブレーキは効きにくくなり、薄いと壊れやすくなります。


GEARING

gear.jpg
ギア比は最高速や加速性能を決める重要な項目です。調整方法は様々ありますが、最初はファイナルギアから調整するのが分かりやすいと思います。
  • 6速がすぐにレブにあたってしまう(加速が良すぎる)
    ⇒FINALギアをロング(数値を下げる)にする
  • 6速がまったくレブに届かない(加速が悪すぎる)
    ⇒FINALギアをショート(数値を上げる)にする
ファイナルが決まったら、次は1stを決めます。
  • 1速で加速が強すぎる
    ⇒1速をロングにして、加速を弱める
  • 1速で加速が弱すぎる
    ⇒1速をショートにして、加速を強める
最後にトップ(6th)を決め、中間ギア調整します。
  • 一番長い直線の途中で6thギアがレブリミットに達する
    ⇒6速をロングにして1速から6速までのギアを等間隔に調整する
  • 一番長い直線の最後でレブリミットに余裕がある
    ⇒6速をショートにして1速から6速までのギアを等間隔に調整する
各ギアを個別に調整することができる車両では、熟練ドライバーはコーナーにあわせて変則的なギア比に調整することもあります。しかし、初心者にとって一番大事なことは、乗りやすいセッティングを作ること。シフトショックに慣れるまでは、ギア比は等間隔にしておくことをお勧めします。

ギア比は他のセッティング項目(ウィング、サスペンション、タイヤ空気圧など)の調整よって、微調整が必要になります。ウィングはトップスピードに大きく影響しますし、サスペンションやタイヤ空気圧などの調整によっても、加速や最高速が変化することがあります。他のセッティング項目を調整したら、同時にギア比も一緒にチェックするようにしましょう。


AERODYNAMICS

aero.jpg
エアロではフロント/リアダウンフォース(ウィング角度)を調整します。ダウンフォースはフロント及びリアウィングの角度(数値)で決定します。

Front air dam(wingなど) /Rear wing
  • 最高速度を上げたい
    ⇒フロント及びリアを寝かせる(数値を下げる)
  • コーナリングを安定させたい
    ⇒フロント及びリアを立てる(数値を上げる)
また、エアロの前後バランスによって、コーナリング特性を変化させることができます。
  • 中、高速コーナーでアンダーステア
    ⇒フロントを立てるorリアを寝かせる
  • 中、高速コーナーでオーバーステア
    ⇒フロントを寝かせるorリアを立てる
低速コーナーではエアロの効果は小さくなります。また、ウイングを変えた時にはギア比も再確認しておきましょう。


DIFFERENTIAL

diff.jpg
ディファレンシャルにはLSDとトルク配分が含まれています。

Pump/Power/Coast/Preload
この4項目はスポーツカーではリミテッド・スリップ・ディファレンシャルギア(LSD)として知られる機構となります。

デフを調整するタイミングは、人によっては「最後の調整に使ったほうが良い」とされる方もおられ、実際、その方が好結果に繋がることも多いと思います。しかしyashimaの場合、デフを最初に固めてしまえば挙動の大まかな傾向(アンダー/オーバーなどの方向性)を決めやすいと考え、割とセッティングの初期に傾向を決めてしまいます。もちろん、途中や終盤に調整するのも全然アリです。

デフの作動原理についてはとりあえず後回し。まずは簡単に考えてみましょう。

PRELOAD(LSDの全体的な効果調整)
  • LSDを積極的に動作させたい
    ⇒数値を上げる
  • LSDをゆっくりと動作させたい
    ⇒数値を下げる
POWER(アクセルON時の追加駆動輪特性)
パワー、コーストは、いわゆる機械式LSDのセッティング項目となります。
  • コーナー立ち上がりで加速が足りない
    ⇒数値を上げ、駆動外輪へのトルク配分を増やす
  • コーナー立ち上がり、コーナリング中にリアが出やすい、不安定
    ⇒数値を下げ、駆動外輪へのトルク配分を減らす
COAST(アクセルOFF時の追加駆動輪特性)
  • コーナー進入時にスピンしやすい、不安定
    ⇒数値を上げ、駆動内輪へのトルク配分を増やす
  • コーナー進入時にクリップに付きにくい
    ⇒数値を下げ、駆動内輪へのトルク配分を減らす
PUMP(駆動輪内外に回転数差がある場合の駆動輪特性)
ポンプは機械式とは別の構造を持つLSDのセッティングとなり、rF2ではフォーミュラなどに搭載されることがあるものの、カマロなどのGT車両にはあまり使用されません。
  • 低速コーナーでなかなか曲がらない
    ⇒数値を下げる
  • 低速時の挙動をマイルドにしたい
    ⇒数値を上げる
さて、残念ながら著者の知識では、これ以上の説明が出来ないというのが現状です。そこで詳しい解説につきましては、RSRやSFMod等の制作で著名なLuthien.j.Remillia(@Luthien_tw)さんに、Twitterで詳しくご説明頂きましたので、そちらのリンクを引用させていただきます。また、関連リンクをたどればPUMPに関しても解説頂いています。ご参照ください。

セッティング全般に言えることですが、「この項目はこの数値にすれば良い」といったものは全くありません。同じコースで上級者のLSDセッティングを拝見しても、ドライバーによって数値はバラバラです。デフォセットが標準とも限らず、変えれば必ず良くなるとも限らない。LSDは本当に頭を悩ませる存在です。

Torque split
トルクスプリットは、4輪駆動車の前後の駆動バランスを調整する項目となります。殆どの車種は、調整することはできません。


SUSPENSION

simple suspension.jpg
この先はサスペンションについてのセッティングが続きますので、まずはサスペンションについて簡単な説明をしておきます。こちらの図は、自動車を勉強する本には必ずと言ってもいいほど掲載される、サスペンションを単純モデル化したものになります。

このモデルからサスペンションを一言で表現すると、"タイヤが拾う路面の凹凸や車体動作によって生まれる荷重移動をスプリングで吸収し、ダンパでその振動を抑制するもの"となります。元々、サスペンションは舗装されていない道を走る馬車から生まれました。すなわち、サスペンションは「デコボコ道を走る馬車に乗る人が、いかに快適に過ごせるか」を目的に作られたのです。

そして、これを現代レーシングのサスペンションセッティングに置き換えると「加減速、コーナリング中、ストレート走行などにおいて、いかに車両姿勢をドライバーの求める状態に制御するか」に集約されているとも言えます。サスペンションに重要なのは硬さではなく、車体の姿勢制御なのです。

実際のサスペンションは、実に多くのパーツとその調整から構成されています。カマロのサスペンション項目だけを見ても、スプリング、ダンパ(SLOW/FAST)、パッカー、車高、トー、アンチロールバー。そしてキャスターとキャンバーも本来はサスペンションで変更されるものであり、rF2のセッティング項目の約半分はサスペンションが占めていることがお分かり頂けるかと思います。

そして、これらのパーツは複雑に入り組んで相互に影響しあうため、サスペンションはセッティングの中でも最も重要であり且つ難しい項目となります。

とはいえ、本稿はあくまで初心者向け。ここからは出来るだけ単純に、これらの項目を一つずつ取り上げ、セッティングの方向性を示してみたいと思います。


Spring rate
spring1.jpg
スプリングレートとは、簡単に言ってしまえばバネの強さです。硬さとも言います。スプリングはタイヤと車体を繋ぎつつクッションの役割を果たす、サスペンションの中で一番主要なパーツといえます。

スプリングは柔らかすぎると上の車体がフラフラして動きが不安定になってしまいますし、硬すぎるとちょっとした段差でもタイヤが弾かれてしまうため、常にバランスを求められるセッティング項目になります。

最初のうちは操作性とステアリング特性の2項目に狙いを絞ると分かりやすいと思います。

操作性に対する調整
  • ステアリング操作に対して反応が悪い、車体がフラついて扱いづらい
    ⇒全体的に硬くする
  • ハンドル操作に対して敏感に反応する、バンプや縁石などで車体が跳ねて操作が難しい
    ⇒全体的に柔らかくする
ステアリング特性に対する調整
  • コーナーでなかなか曲がらない(アンダーステア)
    ⇒リアを硬くするorフロントを柔らかくする
  • 各コーナーで曲がりすぎる(オーバーステア)
    ⇒フロントを硬くするorリアを柔らかくする
デフの項目にも書いたことですが、サスペンションにも「ここはこの数値にすれば間違いない」というものはありません。ステアリング特性調整時に、"硬くするor柔らかくする"とあるのは、個人の好みでどちらにするかを決められる、ということです。少々マシンが撥ねてもキビキビ動く方が良い方は硬めがお好きでしょうし、多少マシンがロールしても足回りが粘るような動きが好きな方なら柔らかめがお好きになることでしょう。サスペンションは、個人の好みでもセッティングが変わる、なかなか面白い項目でもあります。

また、ここでは省略しますが、中級者以上はタイヤの摩耗進行具合や天候変化予測などからも、スプリングレートを調整することがあります。セッティングに慣れてきたら、ぜひチャレンジしてみてください。

Damper(Bump/Rebound)
damper2.jpg
先述の通り、サスペンションの主役はスプリングとダンパです。スプリングは車体を安定させるクッションの役割を果たしますが、スプリングは連続して伸び縮みを起こすので、放っておくと車体はいつまでも揺れ動き不安定な状態になってしまいます。そうならないように、バネの揺れをすぐに抑えてくれるのがダンパの役割となります。

レーシングマシンのダンパは、バネの動く速さによってダンパの硬さ(減衰力)を細かく設定できるようになっており、rF2も同じようにセッティングが出来ます。Slow Bump/Reboundは、加減速時やコーナリング中など、バネがゆっくり動く時の減衰力。Fast Bump/Reboundは、バンピーな悪路や縁石上など、バネが素早く動く時の減衰力を示しています。

Slow Bumpは、加減速時やコーナリング中のばねの縮みに対する調整になります。
  • 減速時アンダーステア
    ⇒フロントのBumpを柔らかくして、前方への荷重移動を早くする
  • 減速時オーバーステア
    ⇒フロントのBumpを硬くして、前方への荷重移動を遅くする
  • 加速時オーバーステア
    ⇒リアのBumpを柔らかくする
  • 加速時アンダーステア、後方への荷重移動を遅くしたい
    ⇒リアのBumpを硬くする 
Fast Bumpは、悪路走行中のばねの縮みに対する調整になります。
  • 路面状況の悪い箇所で跳ねやすい
    ⇒前後のBumpを柔らかくする
  • 路面状況の悪い箇所で応答性が悪い
    ⇒前後のBumpを硬くする
Reboundは、縮んだばねが戻る時の減衰力の調整になります。荷重移動速度を制御する調整が可能になります。
  • 減速から加速に移る時、荷重移動が早すぎる
    フロントReboundを硬くして荷重移動を抑える
  • 減速から加速に移る時、荷重移動が遅すぎる
    フロントReboundを柔らかくして、荷重移動を抑える
  • 加速から減速に移る時、荷重移動が早すぎる
    ⇒リアReboundを硬くして荷重移動を抑える
  • 加速から減速に移る時、荷重移動が遅すぎる
    ⇒リアReboundを柔らかくして、荷重移動を抑える
さて、ここまでダンパの調整についてあれこれ書いておいて何ですが、いきなりダンパを触るのはあまりお勧めできません。実は、初心者の方が一番混乱に陥りやすいのがこの"ダンパセッティング"なのです。

例えば「フロントの沈み込みを抑えてコーナー進入時の安定感を得たい」という時に、真っ先にフロントのSlow Bumpを固くするのは、基本的にはNGです。そんな時は、まずはバネを強くするべきです。ダンパが変えるのはサスペンションの動作量(車体のロール量)ではなく、サスペンションの動作速度(車体のロール速度)です。サスの硬さはあくまでバネによって決まるのです。

それでも上級者に聞くと「そんな時はダンパを硬くして…」という話が出てくるのですが、それは上級者だからこそ感じられる非常に繊細な姿勢制御の変化によるものであり、同じことを数秒遅い私がやってみたところで違いがわかるはずもありません。むしろ、バネとダンパがごっちゃになってしまい、余計ややこしくなってしまうことでしょう。

と、ここまでいかにも"yashimaが知ってる風"に書いていますが、実はこの辺りの話は、元SuperGTドライバーの田中ミノルさんのブログ【ドラテク講座第38回「足回りのセットアップ」ダンパー編2】から拝借、引用させていただいております。さらに詳しいことを知りたい方は、ぜひ元記事をご参照ください。

実際のところ、私がダンパを弄ると大体ろくなことになりません。初めのうちは、スプリングとダンパの関係はスプリングが主役であり、ダンパは余計な振動を抑えるサポートであると割り切り、あまり大きな調整をしない方が良いでしょう。

なお、上の画像で使用しているダンパセッティングでは、段階[1〜20]ではなく実数表示[N/m/s]となっています。これはPlayer.jsonを書き換えることでお好きな方に変更できます。どちらが良いということでもないので、どうぞお好きな方を使用してください。

Anti-roll bar
arb1.jpg
アンチロールバー(ARB)は、スタビライザとも呼ばれるパーツです。これはスポーツカーには最初から装着されていることが多く、車好きの方はよくご存知かもしれません。

ARBは左右のサスペンションを繋ぎ、コーナーで荷重が横にかかった時に車体のロール(傾き)を抑える役割を果たします。ロールを抑えたいけどスプリングを変更したくない時などは、ARBを変えることでコーナリング特性を変えることが出来ます。
  • コーナー進入でアンダーステアになる
    ⇒フロントを柔らかくする
  • コーナー進入でオーバーステアになる
    ⇒フロントを硬くする
  • コーナー出口でアンダーステアになる
    ⇒リアを硬くする
  • コーナー出口でオーバーステアになる
    ⇒リアを柔らかくする
  • ステアリング操作に対してリアのレスポンスが良すぎる
    ⇒リアを柔らかくする
  • ステアリング操作に対してリアのレスポンスが悪すぎる
    ⇒リアを硬くする
ARBはコーナーでのバランスを簡単に変化させることができますので、慣れてくると頻繁に調整することになります。しかし、スプリングに対してARBを硬くし過ぎると、サスペンションが機能しづらくなりタイヤの摩耗を助長させてしまうことがあります。

Ride hegiht
rh.jpg
rF2のRide height(車高)は、厳密に言えば実車とは異なる部分を指すようですが、ここでは面倒くさいので車高ということでご説明します。車高は低ければ低いほどロールセンターが下がりコーナリングが安定します。しかし、あまり車高を下げすぎると車体が路面に擦れてしまい(底付き)、サスペンションやタイヤが機能しなくなり、車体は不安定になってしまいます。
  • ロールが大きくコントロール性が悪い
    ⇒車高を下げる
  • ストレートでスパークが見られスピードが伸びない
     /コーナーでスパークが見られ突然バランスが崩れる

    ⇒車高を上げる
フォーミュラやGTでは、車高によって得られるダウンフォースが変わってきます。
  • もっとダウンフォースを得たい
    ⇒リア車高を上げる(レーキ角をつける)
  • ストレートで速度を上げたい
    ⇒リア車高を下げる(レーキ角を減らす)
リア車高を上げるのは、俗に"レッドブルセッティング"と呼ばれるレーキ角をつけるセッティングになります。F1やトップGTで頻繁に用いられるセッティング手法ですが、これにはコーナリングが不安定になりやすいなど様々な副作用もありますのでご注意ください。

Packers
packer.jpg
パッカーは、サスペンションがフルストロークし車体が地面に底付きを起こす際に、間に挟んだパッカー(ゴムなど)の厚みによってそのストロークを規制したり、衝撃を和らげる働きをします。
  • 底付きを起こす
    ⇒パッカーを厚くする
  • 底付きを起こさない
    ⇒パッカーを薄くする
車高では、底付きは車高を上げて解消すると説明しましたが、実際にはコーナリング特性を維持したりダウンフォース低下を防ぐため、車高を上げたくない場面も出てきます。パッカーはそのような場合の底付き防止として調整してください。ただし、パッカーを入れるとその厚み分だけサスペンションストロークが減少し、サスペンションの動きが敏感になること。また、パッカーがあっても完全には底付きを防止できないことにご注意ください。

Camber
camber.jpg
キャンバーは、クルマを正面から見たときのタイヤの角度のことです。rF2では伝統的にWHEELS項目に含まれていますが、これは紛うことなきサスペンションのセッティング項目です。

レーシングマシンの場合、殆どの場合でタイヤが正面から見てハの字になる、ネガティブ(-)キャンバーを採用します。キャンバー角を適度にネガティブを保つことで、タイヤは横方向への踏ん張りが効くようになり、コーナーを速く走れるようになります。

キャンバー角の調整は、コーナリング時の横方向へのグリップと加減速時の両方の観点でセッティングを進めます。
  • コーナー全般でアンダーステア
    ⇒フロントキャンバーを大きくorリアキャンバーを小さくする
  • コーナー全般でオーバーステア
    ⇒フロントキャンバーを小さくorリアキャンバーを大きくする
  • 加速時に不安定、スピンしやすい
    ⇒リアキャンバーを小さくする
  • 減速時にブレーキロックしやすい
    ⇒フロントキャンバーを小さくする
キャンバー角はコーナーでの速さに直結する、なかなか重要な項目です。しかし、キャンバー角大きくし過ぎるとタイヤが発熱しやすくなって摩耗が早くなったり、直進安定性を失ってブレーキや加速でスピンをしやすくなってしまいます。キャンバーセッティングでは、コーナリングと安定性のバランスを失わないように気をつけてください。

Caster
caster.jpg
キャスターは、マシンを横から見たときの、フロントタイヤの操舵角の傾き角度です。キャスター角はCHASSISページの一部に組み込まれていますが、これもサスペンションセッティングの一部です。

キャスターは直進安定性を確保するのに重要な役割を果たします。キャスター角が小さすぎると安定性が悪くなりますし、逆につけ過ぎると操縦応答性が悪くなります。
  • ハンドリングがもたつく、路面の反応が分りづらい
    ⇒角度を小さくする(キャスターを立てる)
  • ハンドリングがクイック過ぎる、コーナー立ち上がりで不安定
    ⇒角度を大きくする(キャスターを寝かせる)
また、コース特性によってキャスターを調整することもあります。
  • 高速コース(高速安定性重視)
    ⇒角度を大きくする
  • 低速テクニカルコース(ステアリング応答性重視)
    ⇒角度を小さくする

Toe
toe.jpg
トーは、マシンを上から見たときに、タイヤを外側もしくは内側に向ける角度です。トー角の調整では、直進安定性を良くしたり、ターンインの反応を変化させることが出来ます。トーはキャンバーやキャスターほどには大きな効果は期待できませんが、コーナー進入で思うようにクリッピングポイントにつけない時や、リアの反応が悪い時などに調整してみると良いでしょう。

rF2のトー角は、正の数値がトーイン、負の数値がトーアウトとなります。
  • コーナー進入でクリップにつけない
    ⇒フロント・トーアウトを小さくする
  • コーナー進入でフロントが敏感すぎる
    ⇒フロント・トーアウトを大きくする
  • コーナリング中にリアが外に出やすい
    ⇒リア・トーインを大きくする
  • コーナリング中にリアをもっと出したい/加速時オーバーステア
    ⇒リア・トーインを小さくする
  • 悪路やブレーキで姿勢が不安定になる
    ⇒フロント・トーアウトを大きくorリア・トーインを大きくする
大抵のFR車の場合、フロントは基本的にトーアウト側、リアは基本的にトーイン側の範囲のみで調整します。しかし、市販車の場合は安定性重視のため前後ともトーインにすることもあり、FFマシンはリアをトーゼロ(アウト)にすることもあります。何度も書いているように、セッティングに絶対はありません。車種や状況によって、様々なパターンを試してみてください。

Toe-in offset
トー角全体を予め左右どちらか(大抵の場合左側)に振っておくことができる項目です。オーバルを走るインディやNASCAR車両で使用されます。

3rd (Spring/Packer/Damper)
3rd.jpg
スプリングやダンパの横にある一列、これらは高いダウンフォースが発生するフォーミュラカーやGT車両において、メインサスペンションだけでは支えきれないほどのダウンフォースが発生した際、その不足を補うために搭載されるパーツです。全体を指して"サードエレメント"と呼ぶこともあります。
  • ストレートでダウンフォースにより底付きを起こす
    ⇒硬くして底付きを防止する
  • ギャップ(縁石など)で挙動が急変してしまう
    ⇒柔らかくして挙動をマイルドにする
サードエレメントはマシンの上下方向の動き(ピッチング)に対して効果を発揮するように作られるため、ブレーキや加速時などのグリップやバランスにも影響を及ぼすことがあります。また、ピッチング制御をサードエレメントが行うため、左右のサスペンションがロール制御に注力できる利点もあります。

残念ながらカマロには搭載されていない機能ですが、同じSTGTのGT500クラス車両ではセッティングが可能です。最初のうちはデフォのまま置いといて、セッティング自体に慣れてきたら調整してみましょう。

Tender Spring rate
テンダースプリングは、2022年8月のアップデートで追加され、現時点でポルシェカップにのみ採用されている新たなセッティング項目です。こちらについてはrF2での実質的効果が不明なため、Descriptionの和訳を掲載します。ご参照ください。
Tender Spring rate:テンダースプリングの硬さ(と長さ)に影響する。テンダースプリングは、メインスプリングの上部に設置される柔らかいスプリングとなる。これはサスペンショントラベルの特定ポイントまで有効であり、その後はメインスプリングがアクティブになる。これは初期圧縮においてサスペンションを比較的柔らかくさせ、バンプをより良く吸収することで、タイヤは路面との追従性を得る。テンダースプリングが低スプリングレート(10-20N/mm)の場合、それはダンパーが圧縮されていない状態でフルストロークが十分に長くない場合に、メインスプリングを所定の位置にキープするために使用される。この時、テンダースプリングは車両が静止状態で既に全圧縮された状態となる。

Spring rubber

スプリングラバーは、スプリングに挟み込むタイプのラバークッションです。rF2では使用されている車両を殆ど見たことがないので、説明は省略します。


CHASSIS

chassis.jpg
シャシーには様々な要素が含まれますが、今回はカマロでセッティング可能な部分と、代表的な項目について取り上げます。

Wheel range(lock)
ホイールレンジはステアリングロック角とも呼ばれ、この数値はこの角度の範囲でハンドルが回転しタイヤが動作することを意味しています。カマロの場合、初期値は612(19)degとされています。この場合、ステアリングは中央から306度まで回転し、その際、タイヤは直進状態から19度まで傾くことを意味しています。

ホイールレンジは、車種によっては固定されることもありますが、このように調整できる場合もあります。この値は、お使いのコントローラや自分の好みにあわせて調整してください。

wheelrange.jpg
なお、ステアリングに対してタイヤの切れ角が足りない場合、Wheel rangeを弄ってもあまり効果はありません(ステアリング角を小さくすると同時にタイヤ角も小さくなるため)。ステアリングに対するタイヤの切れ角を大きくしたい場合は、セッティングのWheel rangeはそのままにしておいて、設定画面のSEERING SETTINGSで"Range set by vehicle"をOffにし、Steering wheel rangeの数値を小さくしてください(ただし元のステアリング設定が狂う可能性がありますのでご注意ください)。

WEIGHT
weight.jpg

ウェイトでは、マシンに搭載するバラストを前後左右に動かすことで、マシンのウェイトバランス(重心位置)を変えることが出来ます。

Vertical
上下方向の重心位置調整です。高さを変えることでコーナリング特性を調整することができます。カートなど、一部車種でのみ調整可能です。

Lateral
左右方向のウェイトバランスです。基本的に50:50です。rF2の多くのマシンはドライバーの重量分ずらしてあります。ドライビングには殆ど影響しませんが、コントローラが敏感な方は調整してみるのも良いかもしれません。

Weight distribution
前後方向のウェイトバランスです。カマロでは調整ができませんが、GT500クラス車両では調整可能です。駆動輪の荷重調整やステアリング特性を変えることができますが、あまり大きく動かせるものではなく、微調整レベルで考えてください。
  • 加速時に駆動輪を食いつかせたい
    ⇒バランスを後ろに移動する
  • コーナリング中のオーバーステアを解消したい
    ⇒バランスを前に移動する
Wedge
NASCARなどで、挙動の微調整を行う装置です。別名ウェイトジャッカー。INDYやNASCARなどのオーバル走行時に使用され、一般的には数値を下げるとオーバーステアになります。

ウェイトバランスはその性質上、どちらかを良くするとどちらかが悪くなることになります。あまり頻繁に動かさないことをお勧めします。


ENGINE&ELECTRONICS

engine.jpg
エンジンは、言わずと知れたマシンの心臓部です。本物のエンジンには様々なセッティング項目があるのですが、rF2では詳細なエンジンセッティングは省略されています。また、Build1130以降では、最新GT車両では必須であるオンボードTCS/ABSのセッティングもエンジンに含まれるようになりました。

エンジンはあまり難しいセッティングではありませんが、マシンの速さや耐久性を司る重要な部分であることに違いはありませんので、しっかりとセッティングしておきましょう。

Rev limiter
エンジンの最高回転数を制限するのがレブリミッターです。一般的に、回転数が高くなればなるほど高出力を得られる傾向がありますが、その分エンジンの耐久性は落ちることになります。また、あまり回転数を引っ張りすぎる(上げすぎる)と、エンジン特性によってはかえってパワーを得られなくこともあるので注意しましょう。なお、カマロではレブ調整はできませんが、調整できる車種でもレブリミッターはデフォセットが一番無難です。

Engine mixture
ミクスチャとは、空燃比(シリンダ内に入る空気と燃料の比率)のことです。カマロでは使用できないため細かい説明はここでは省きますが、単純にいえばミクスチャを上げれば上げるほど全回転域でのパワーを増やすことが出来ますが、燃料を増やすため燃費は悪くなってしまいます。
  • もっとパワーが欲しい
    ⇒数値を上げる
  • 燃費を抑えたい
    ⇒数値を下げる
耐久レースではピットイン時間がレース結果に直結しますので、中級者以上になるとSimhubやTinyPedalなどでリアルタイム燃費を計測し、レース中にミクスチャを調整する方もいます。しかし、燃費計算に気を取られてクラッシュするyashimaのようなドライバーも稀にいますので、最初は"1周◯Ltrで走って、レース全体で◯◯Ltr使う"といったレース計画を立て、それをしっかりと守るほうが、良いレース結果を得やすいでしょう。

Boost mapping
ターボエンジンの過給圧を調整するセッティングです。
  • もっとパワーが欲しい
    ⇒数値を上げる
  • 燃費を抑えたい
    ⇒数値を下げる
ブースト圧の上昇には排気ガスのエネルギーを利用してタービンを回転させるため、アクセルオンからパワーアップまでに時間がかかることがあります。これがいわゆる”ターボラグ”と呼ばれるもので、これにより、ブースト圧を上げると高回転域の出力アップが期待できる一方、ドライバビリティを低下させることがあります。特に、年代の古いマシンを遊ぶ時は、ターボラグには十分注意してください。

Brake map
エンジンブレーキ(バックトルク)の強さです。
  • 制動距離を短くしたい
    ⇒数値を下げる(車種によっては上げる)
  • 減速時に駆動輪がロックするのを防ぎたい
    ⇒数値を上げる(車種によっては下げる)
エンブレが強ければ減速時に制動距離を短くすることも出来ますが、反面、ブレーキ時に駆動輪がロックしやすくなり車体制御が難しくなることがあります。各自の好みにもよりますが、スピン防止には数値を上げておいたほうが無難かもしれません。

Radiator size
ラジエーターの大きさを変えるセッティングです。ラジエーターを閉めると温度が上がり出力が出やすくなりますが、オーバーヒート(油温で120〜125℃程度が目安)はエンジン寿命を極端に短くしてしまいます。また、冷やし過ぎ(オーバークール)も馬力低下に繋がるので、バランスが重要な項目となります。
  • エンジンの水温/油温が高く、排気から煙が出ている
    ⇒ラジエーターを大きくする
  • エンジンの水温/油温が低く、まだまだ余裕がある
    ⇒ラジエーターを小さくする
エンジンの水温/油温は気温によっても大きく左右されるため、レースでは常にHUDなど温度を確認し、最適温度を保てるように調整しましょう。

Onboard TC
車内からコントロールできるトラクションコントロールシステム(TCS)の全般的な効果を変更できます。rF2のドライビングエイドにあるTCSとは別の扱いとなり、オンラインレースではこちらのみが使用可能になることが多くなります。カマロでは1(Off)〜3(Wet)まで3段階の変更が可能です。
  • 加速時にホイルスピンしてしまう
    ⇒TCSを上げてホイルスピンを抑制する
  • 加速時にパワーが足りない
    ⇒TCSを下げて加速力を高める

Onboard TC power cut

Build1130でrF2に実装されたTC power cutでは、TCSアクティブになった時に如何に大きなパワーをカットするかをコントロールし、マップ値が高いほど大きいパワーカットが発生します。現時点で、マクラーレン・セナにのみ搭載されている機能ですが、今後は様々なGT車両にも反映されるようです。

Onboard TC slip angle

Build1130でrF2に実装されたTC slip angleでは、TCSがアクティブになる時に横方向(スライド)スリップを制御し、マップが高いほどスリップを抑制します。現時点で、マクラーレン・セナにのみ搭載されている機能ですが、今後は様々なGT車両にも反映されるようです。

Onboard ABS
車内からコントロールできるアンチロックブレーキシステム(ABS)の全般的な効果を変更できます。rF2のドライビングエイドにあるABSとは別の扱いとなり、オンラインレースではこちらのみが使用可能になることが多くなります。カマロでは12段階の変更が可能です。
  • 減速時にブレーキロックしてしまう
    ⇒ABSを上げてブレーキロックを抑制する
  • 減速時にブレーキ距離が伸びてしまう
    ⇒ABSを下げて制動距離を縮める


BRAKES

brakes.jpg
ブレーキについては事細かに説明する必要はないと思いますが、少しだけ気をつけなければならない部分もあります。

Brake bias
ブレーキバイアスは、前後ブレーキの強さバランスの配分となります。一般的に、ブレーキは前方車輪のブレーキを強くすることで、ブレーキ時に車体が不安定にならないようになります。
  • 急減速時に先にリアがロックする
    ⇒ブレーキバイアスを前よりにする
  • 急減速時に先にフロントがロックする
    ⇒ブレーキバイアスを後ろよりにする
なお、rF2のブレーキバイアス表記については、後述する注意点があります。時間があればそちらもご参照ください。

Max pedal force
これは、目一杯ブレーキペダルを踏み込んだ時の力の強さとなります。ブレーキ時に意図せずロックをさせてしまう場合、これを下げることでブレーキロックを防ぐことができます。
  • 頻繁にブレーキがロックしてしまう
    ⇒ペダルフォースを下げる
  • 制動距離を短くしたい、ブレーキが足りない
    ⇒ペダルフォースを上げる

Front/Rear brake duct blanking
ブレーキを冷やすためのダクトサイズです。レーシングマシンのブレーキには、ブレーキが良く効く適正温度というものがあります。適正温度はブレーキの種類によって様々ですが、冷えすぎると本来のブレーキ性能は発揮できず、熱すぎるとフェード現象を起こしてブレーキが効かなくなり、最悪の場合ブレーキが壊れてしてしまいます。
  • ブレーキ温度が上がりすぎる
    ⇒ダクトを大きくする
  • ブレーキ温度が下がりすぎる
    ⇒ダクトを小さくする
なお、最新車両ではブレーキダクトサイズはフロントとリアを別々に設定できるようになりました。カマロにはこの機能は実装されておらず、表示状はフロントのみが変更できているように見えますが、このような古い車種のブレーキダクトサイズはフロントとリアは同じサイズで冷却されます。

Hand brake pressure
ハンドブレーキ(サイドブレーキ)の強さを設定します。カマロを始め、殆どのレーシングカーでは使用できません。


【補足】rF2のブレーキバイアス表記について

さて、rF2の場合、ブレーキバイアスの表示が2通りあることに気をつけなければなりません。
20170914194502_1.jpg
こちらはGT500・GT-RのNotes(oldUI表示)になります。ここには”Effective Brake Bias(on 50,50 balance bar):F/R 62.9%/37.1%”と書いてありますが、これは「BrakeBias表示が50:50のとき、実際のブレーキ配分は62.9:37.1になる」ということを表しています。カマロもほぼこの数値になります。

20170914194548_1.jpg
一方、S397純正のRenault Clioのブレーキ項目では、Biasは70:30となっており、これはそのまま実際のブレーキ配分を表示しています(rF1では全てこちらの表記方法でした)。

このように、純正Modで比べてみても、ブレーキバイアスの表記方法には、車種によって違いがあることをご理解頂けたかと思います。たまに、他のドライバーさんと会話していてバイアスの値が全く噛み合わないということがありますが、大体の場合はこの表記方法の違いによるものです。

GT-Rのような50:50がベースになる表記方法では、「実際のブレーキ力割合」ではなく「ペダルから前後ブレーキに伝える力の割合」が表されています。ユーザーにはちょっと分かりにくい表記ではありますが、実はこれ、rF2があまりにもリアルに挙動を作ろうとしている証左でもあります。

それでは何故、このような表記になるのでしょう。
brakekaisetu.jpg
こちらはrFactor2の挙動を作るため、Studio397が用意しているスプレッドシートとなります。私も以前、勉強のためにkodiという架空の車両を触った事があり、このシートには大変苦しめられましたお世話になりました。これをよーく見ると、rF2でのブレーキを計算するシートでは、フロントブレーキとリアブレーキに、それぞれディスクやピストンのサイズや数、そしてパッドの材料などの実車数値や形状を入力することで、結果としてブレーキ力が計算されていることが分かります。これにより、rF2での車両設計では、狙ったブレーキ力を直接入力するような安易な挙動設計は不可能であり、実車からのデータや、車に関する知識、経験が不可欠であることをご理解いただけると思います。

brakekaisetu2.jpg
さて、このシートを下の方に進めていくと、キャリパーピストンの数やサイズを入力する部分があります。これは実車経験のある方ならご存知かと思いますが、レーシングカーのディスクブレーキでは、「フロントブレーキに6ピストン、リアブレーキに4ピストン」というピストン数になることが多くなります。ブレーキパッドは、ピストンが増えると押し付ける力も強くなるため、これだけでもペダルから前後ブレーキに同じ力(50:50)を伝えると、前後のパワーバランスは60:40になるということになるのです。また、この数値はピストンの数だけではなく、前後のディスクサイズやパッド材などによっても変化するため、GT-Rのようなリアル指向の車両では"62.9:37.1%"という細かい計算結果が反映されます。

ブレーキバイアスを50:50と表記する車両では、数値として捉えるには少し分かりにくくなりますが、挙動としてはリアルを追求して作られています。最初はややこしく思われるかもしれませんが、この機会に実車やrF2の知識を深めつつ、セッティングを進めてみてください。


まとめ

まずは練習、そしてセッティング
いつもいつも同じことを書きますが、今回も気にせず同じことを書きます。

初心者の方に質問です。あなたは前回のレースで、一度もスピンせず走り切ることができましたか?もしできていないのであれば、ズバリ、練習が足りません!

セッティング作りでは数周走ってはマシンをいじるという繰り返しになるので、なかなかまとまった走行距離を走ることはありません。また、どうしても比較基準はタイムになりますので、短距離で好タイムを出すことに夢中になりがちです。しかし、実際のレースでは一度に20周以上も走ることもザラにあります。

散々セッティング云々書いといて何ですが、初心者の方に一番必要なのは走行距離です。走行距離を言い換えれば経験値とも言えます。たとえあなたがロトの血を引く勇者だったとしても、経験値の低い状態ではスライムにすら苦戦するはずです。ドラ◯エでもレースシムでも経験値はとても大事。まずはいっぱいぱふぱふして走って、レベルを上げていく必要があるのです。

また、テクニックや理論ばかりを追い求め、頭でっかちになっちゃってる方はいませんか?レースというものは、一定の距離を誰が一番早く走るかを競うもので、いわば陸上競技のようなスポーツです。まずは決められた距離をミスなく走ることのできる体力をつけ、クラッシュしても折れない心を養い、その後にテクニックや理論を磨きましょう。

セッティングなんて本当は二の次三の次。まずはホームコースをガッツリ走り込んで、身体にドライビングを染み込ませていってください。

練習内容
さて、がんばって何十周も練習しているのに、中々タイムが上がらず、走行も安定せず、上達が感じられない。こんなお悩みを持つドライバーさんも多いかと思います。

これについてyashimaの経験談を書いてみますと、練習中に何を意識するかによって、上達の度合いは変わってくるものだと考えます。

コースのライン取りであったり、操作やタイムの安定性。マシン挙動の掴み方や修正方法などなど、練習で気をつけなければならないところ、意識しなければならないことは膨大にあります。また、どのように練習していくのか、どう変えていくのか、これも重要なことです。

レースや実車で実経験のあるドライバーの方は、チーム監督や先輩ドライバーからの指導や助言で、この辺りをしっかり教わった方が多いと思います。しかし、レースシムから初められる方は、どこを意識すればいいのか、何を練習すればいいのか分からないまま、走行距離だけが伸びていくのだと思います。

このあたりについては、レースの入門本を紐解くと様々な方法が掲載されています。また、最近はSNSやボイスチャットなども気軽に楽しめるようになっていますので、先輩ドライバーさんに意見を求めるのも大変良いことではないかと思います。

また、yashimaなりに初心者練習方法をまとめた記事もあります。高度なドラテクやヒントはありませんが、20数年前には超初心者だったyashimaが、リアルでどう練習していたのかをまとめてあります。よろしければそちらもご一読ください。

yashimaをたくさん倒そう!
たくさん練習して、セッティングある程度出来るようになってきたら、あとは実践あるのみです。丁度よいところに、rF2のマルチでは毎週木曜日、何年も走ってるのに未だ中団グループをウロウロしている「yashima」という格好の的が出現しています。ドラ◯エでいうところのスラ◯ムみたいなものです。まずはyashimaを沢山倒して、経験値を稼ぎましょう。

そうして気づいた頃には、あなたはベテランドライバー相手にも好バトルを展開され、初心者はとっくに卒業されていることでしょう。その時には、相変わらず中団辺りをウロウロしているyashimaを、鼻で笑って追い抜いていってください。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。またレースでお会いしましょう。

posted by yashima at 00:00 | Comment(0) | 設定・セッティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: